ポルトガルの窓から日本が見える No.53

2016.12.26 Monday

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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

    Lisbon airport リスボア空港

     

    雨の日は続く、そして空港へ

     

    10月30日(日曜日)、天気予報は一日中雨。昨日と同様、アモレイラス・ショッピングセンターへと出かける。奥村さんの部屋は道路に面しているので、騒音で睡眠不足となり、ヨロヨロとした足取りで歩く。昼食は、またもや中華レストラン。私はポルトガル料理が恋しくなって来ていたが、奥村さんが「しつこい食べ物はもういやだ」と受け付けないので仕方がない。

     

    今日は、映画「ジュラシック・パーク」を観ることにした。映画館は長蛇の列。ティーンエイジャーや子供連れの姿が目立つ。料金表には毎週火曜日は映画特別日、350エスクードで観られると書いてある。日本でも、こんな粋なはからいをしてくれる映画館があれば良いのに。現在は、日本でも同様のサービスが行われるようになった。

     

    この映画は、コンピュータグラフィックスやSFXをふんだんに駆使した新しいタイプの映画だ。子供たちは恐竜が出てくると「ワーワーキャーキャー」と騒ぎ、それは喧しい、そして恐竜の世界に吸い込まれていくらしい。どこの国も変わらぬ光景だ。

     

    帰りにブラジルのリオの観光スポットのような名前のスーパーマーケット「ポン・イ・アスーカル」でオリーブとパルミット(やしの若芽)のかん詰めを買う。そして、ちょっと贅沢してタクシーに乗って帰る。タクシーメーターは日曜日なので日中でも夜間運賃となりタリフ2を指している。

     

    運転手は先般の雲助運転手とは違い、とても感じが良い。今晩で42日間滞在したポルトガルともお別れだ。ポルトガルのみなさん、ありがとう。

     

    11月1日、やっと日本に帰る日がやって来た。余りの嬉しさでベートーベンの「喜びの歌」でも歌いたい気分。フライトは、エールフランス1281便、18時15分離陸である。ペンション・ナザレを12時にタクシーで出発、降り続いた雨もやっと止み清々しい。

     

    今日は月曜日だが「万聖節」で休日なので、タクシーは2の夜間タリフで運転する。何時も私たちを悩ませたプラッサ・エスパニョーラも、今となっては懐かしい。交通渋滞もなくスイスイと空港に着く。ペンションから空港までは700エスクードだったが、沢山の荷物にも文句を言わず運んでくれた運転手に感謝の意を込めて500エスクードを礼として渡す。

     

    運転手は大喜びで「僕が荷物を全部降ろすから、そこで待っていて下さい」とサービス満点。感じの良い運転手でよかった、晴れの帰国する日に雲助運転手に気分を害されたくはない。午後6時の搭乗時間まで5時間もあるので、空港レストランに入って昼食をとる。緑色のジャケットを着たツンとすましたウェイターが我々を席に案内、うやうやしくメニューを渡す。

     

    メニューを見てビックリ、ほとんどの料理が2000エスクード以上と高価だ。空港に着いてすぐにエスクードをフランに両替してしまった後なので、手元には5500エスクードしか持ち合わせがない。グズグズしている私たちにウェイターは、すかさず「プラト・ド・ジィア(定食)は如何ですか、今日は子豚の丸焼きですよ」と言う。定食は割安なのが常識なので「じゃ、それを2つ」。

     

    注文をしたものの心配になり、ウェイターに「定食はいくら」と尋ねる。ウェイターはニッコリとして、2700エスクードでございます」と応える。所持金は5500エスクードだから、どうみても2人分だと足りない。

     

    もう一度メニューをもらって、1700エスクードの前菜、シュリンプカクテル、メインディッシュ、豚とプラムのローストを再注文する。今は好き嫌いを言っている場合ではない。妙なオーダーをする東洋人をウェイターは怪訝な目で眺める。「旅の恥はかきすて」の心境だ。食事の支払いを済ませると、サイフにはジャラ銭がわずかに残った。

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