No.26 Lisboa

2016.12.26 Monday 17:03
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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    筆者の吉田千津子、カメラマンの奥村森、コピーライターの春子、

    3人でポルトガル42日間の旅、ポルトガルを通して日本を考察する

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

    エレトゥリコの珍事とアルファマのそよ風

     

    Washing cloths at Alfama アルファマの洗濯干し

    Washing cloths at Alfama アルファマの洗濯干し

     

    ペンションの支払いなどがあるので、両替のためバンコ・エスピリト・サント(エスピリト・サント銀行)に行く。12万円を両替して19万エスクードにもなった。これまで両替した銀行の中でコミッションが一番安く1000エスクードだ。もっと早く判っていたら6千エスクードは節約できたのに残念。

     

    この4、5日は本当に退屈、もう何もすることがない。パッセ・トゥリスチコで行き当たりばったり、エレトゥリコ(市電)に乗る。28番線でサンタ・モニース行に乗って終点まで行き、また同じ市電で引き返す。もうこうなったら乗客の観察でもして時間を潰すしかない。

     

    エレトゥリコは日本並みに満員、のんびりと乗ってはいられない。長いアルミ棒を持った職人風のおじさん、続いて黒人の修道女が乗り込んで来て私たちの前に立つ。が、そのとたんエレトゥリコはガタッと大きく揺れた。修道女は慌てて、おじさんの持っているアルミ棒をつかんだ。彼女は、市電のつかまり棒と勘違いしたのだ。

     

    彼女はつかまり棒でないことが判ると、1人でケラケラと笑い出した。私と奥村さんも余りに滑稽で思わず噴き出してしまった。彼女と私たちは、声を押し殺したものの笑いが止まらない。そして次の駅で乗車してきた白髪のおばあさんも、また同じことをする。もう誰も笑いを堪えることが出来なくなって、あたりは大爆笑。

     

    アルファマ地区のパンテオン(サンタ・エングラシア教会)近くで下車して、ゆっくり散策する。パンテオンは泥棒市が開かれる丘の中腹に位置するバロック様式の教会である。パンテオンには、バスコ・ダ・ガマ、エンリケ航海王子、歴代共和国大統領など、ポルトガルの偉人が祀られている。

     

    細い石畳の路地では、ドイツ人歌手のグループがプロモーション用のビデオ撮りをしている。どの家の窓からも洗濯物がヒラヒラとはためき、恰幅(かっぷく)の良いおばあちゃんと幼い孫が何の目的もなくボンヤリと窓から外の景色を眺めている。

     

    アルファマのそよ風は、退屈している私たちに「ゆったりと流れる時間もいいものだよ」と語りかけているように思えた。

     

     

    やっと帰国のめどがつく

     

    Inside of Amoreiras shopping center 店内

    Inside of Amoreiras shopping center 店内

     

    今日は土曜日、リスボアに戻ってから晴天が続いていたが初めて雨が降る。明日のフライトが心配なので「どうせ暇にしているのだから」との奥村さんの提案で空港まで再確認に行く。ペンションから45番のバスに乗る。バスの中は相変わらず混雑していて黒人が多い。20分ほどで空港へ到着。

     

    エールフランスのストは、昨日やっと解決したにもかかわらず、カウンターは閑散としている。搭乗予定の11月2日のフライト、リスボア〜パリは全便満席だという。私たちのブッキングはどうなるのだろう。タイアップ切符だから仕方がないが、何としても日本へ早く帰りたい。

     

    私がエールフランスのカウンターで粘り強く交渉すると、係員は「11月1日発ならパリに夜着くフライトがありますが、そのあとのパリ〜成田は翌日にしか運航していないので、パリで一泊することになりますが」と情報を提供してくれた。

     

    私たちは即座にそのフライトに乗ることにする。奥村さんは「これで、やっと言わ猿の世界ともお別れだ」と大喜び。急に元気が出てきたのか「空港内を撮影しよう」とカメラを取り出し始める。「もう撮るところもないな」と言ってふてくされていたのに現金なものだ。

     

    帰りはリーニャ・ヴェルデと呼ばれるリスボア市内にノンストップで直行する急行バスに乗って、エントレ・カンポスで下車する。また、インド料理を食べようと思ったからだ。土曜日、日曜日、祭日365日無休と言っていたのにレストランは閉まっている。

     

    「雨の降る中わざわざやって来たのに、インド人の嘘つき」。仕方なくペンションに帰り、近くのマーケットで食料を買ってサンドイッチを作って食べる。店は土曜日の午後から全て閉まってしまうがアモレイラス・ショッピングセンターだけは土曜日も日曜日もオープンしているので救われる。アモレイラス・ショッピングセンターは、メトロ・ロトゥンダで降りて徒歩15分ほどの所にある。

     

    ピンク色の壁とガラスをコンビネーションにした超近代的な建物だ。このショッピングセンターには有名ブティック、銀行、レストラン、映画館、スーパーマーケットなどがテナントとして入っているので、我々旅行者には便利で有難い。

     

    今日は雨が降っているので、手頃な近場で休日を楽しもうとする客で混雑している。私たちは時間潰しに映画を観ることにする。奥村さんは「映画はポルトガル語の字幕つきだろうから、英語で単純なストーリーのものにしてよ」と言う。

     

    「フュージチーヴォ」(逃亡者)に決める。以前、日本のテレビで放映されたことがあるのであらすじは解っている。いちいち奥村さんに説明する必要がないので好都合だ。料金は、たったの550エスクード。日本に比べると入場料はとてつもなく安い。

     

    映画を見終わっても雨はまだ止まないので、夕食はショッピングセンター内のレストランで食べることにする。ここにも中華レストランがある。オーナーは2年前にマカオからやって来た中国人だ。3皿オーダーしたが、ポルトガルサイズで量が多く食べきれない。

     

    ここの料理は、野菜が多いので嬉しい。味はマアマアだが、主人の愛想がすこぶる良いのでマアマアの味を十分にカバーしている。主人に「もうかりまっか!」と聞いてみると、彼は手をヒラヒラさせて「ボチボチでんな」と応える。「香港の中国返還で、ポルトガルに移住してくる中国人が増えてまっせ」と主人は言う。

     

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