ポルトガルの窓から日本が見える No.50

2016.12.25 Sunday

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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

    Cat of Carmo monastry カルモ修道院の猫

     

    カルモ修道院

     

    今日も、エールフランスで28日以降と言われたがティケットオフィスにしつこく行ってみる。窓口の女の人も親切に相談に応じてくれた結果、11月2日のフライトにブッキングしてくれる事になりホッとする。しかし、ストは続行中なのでまだ安心はできない。日曜日にもう一度、リコンフォーメーション(再確認)をしなければならない。それにしてもあと4日間もある。

     

    まだ訪れていないコンヴェント・デ・カルモ(カルモ修道院)に行く。ロッシオ広場から胸突き坂をハアハアと登ると、そこに修道院はあった。奥村さんは、私が何度「カルモ修道院」と教えてもカルガモ修道院と言って私を笑わせる。入場料300エスクードを払い中に入ると、平日のためかひっそりとしている。

     

    柱と骨格だけが残って壁などが崩れ落ちているので、まるで建物のガイコツといった感じだ。1755年の大地震で修道院の屋根などが崩れ、補修もせずにそのままになっているのだ。廃墟には草花が生え、それが妙にデザイン的で不思議なハーモニーをかもし出す。

     

    天高くカーブを描くアーチ状の柱は、青空に映えて美しい。瓦礫では、三毛猫が毛づくろいをしながら日向ぼっこをしている。観光客なれしているのだろうか、人見知りせずに擦り寄ってくる。修道院の奥は考古学博物館で、ミイラがガラスケースの向こうから私を見つめている。静かでそよ風の音まで聞こえて来そうで、何時間いても飽きない。

     

    これがリスボアの時の流れなのかも知れない。ゆっくりとなだらかな石畳の道を下るとロッシオ広場に出る。4日間乗り放題のパッセ・トゥリスチコをまた買う。1350エスクードでバス、コンボイオ、エレトゥリコ、市内であれば何処にでも行くことが出来る便利で経済的な乗り物パスだ。

       

    早速17番サン・ジョアン行きのエレトゥリコに乗ってみる。すると突然急停車。窓から客がヤジ馬根性丸出しで首を出す。私も覗いてみると自動車が市電のレールの上に駐車しているではないか。運転手は「ファンファン」と警笛の紐を引っ張り何度も鳴らすが音沙汰無し。

     

    運転手も慣れているらしく、怒りもせず根気よく待っている。大分経って自動車の持ち主が現れ解決、「出発進行!」市電はアヴェニーダ・アルミランテ・レイスの通りをどんどんと登る。この路線の終点はアロイオスだ。ここは道幅が広く、新しいリスボアを象徴している。そして新しいポルトガルの生活の匂いも感じられる。

     

    夜は退屈しのぎに美味しいものを食べたくなったので、フロントのカリモに聞いてみる。「それなら僕の推薦のインド料理はどう」と言われ、即決定。アヴェニーダ・リプブリカから空港方面行きのバスに乗って7駅進むと、カリモお勧めのインド料理店のあるエントレ・カンポ・ノルテ停留所がある。バスは満員、半数以上が黒人客。ここがポルトガルかアフリカなのか錯覚を起こしてしまいそうだ。

     

    バス停で降りてIBMの大きなビルを越えた角を右に曲がるとアヴェニーダ・ダ・イグレージャ通り。そこにインド料理店「ナトラージ」がある。店の主人はこの道20年のベテラン、以前はロンドンでレストランを経営していたこともあって英語が通じる。久しぶりに奥村さんは大喜びして能弁となる。海老カレー、マッシュルーム、ほうれん草、それにご飯、前菜にはサモサを注文。値段は他の店より少し高めだが、味は絶品。

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