ポルトガルの窓から日本が見える No.48

2016.12.25 Sunday

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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

    Liverdade Avenue リベルダーデ大通り

     

    エアラインのストライキ

     

    ストの事が心配なので、今朝はアヴェニーダ・リベルダーデにあるエールフランスのティケットオフィスに行ってみる。ひょっとしたら他の航空会社にエンドースして貰えるかもしれないと思ったからだ。オフィスに行くと数人の客がエンドースのために並んでいる。

     

    私たちの切符は、エールフランスの好意で取材のために提供してもらったものだ。この種の切符は、通常エンドースなど出来るはずもないが、病気や急用などの場合には特別な処置が取られることもあるのだ。体調が悪い奥村さんをだしに「彼が病気で」と大袈裟に言ってみたが駄目だった。

     

    「28日までは飛行機が全便キャンセルなので、それ以降に来て下さい」とあっさり断られてしまった。もうレンタカーも返してしまったし、あと4日間どうして過ごしたら良いものか気が重くなる。 帰りにスーパーマーケットで昼食用の買い物をする。リスボア滞在が長引くようなら経費も節約しなくてはならない。パン、ソーセージの缶詰、野菜の酢漬け、トマト、レタスを購入。

     

    レドンドで買った絵皿に並べると結構さまになる。こんな役に立つとは思わなかった。昼食後、奥村さんはカメラを持って何処かへ出掛ける。私は歩いても行けるグルベンキアン美術館を訪ねる。抽象画には余り興味がないのだが、間違って現代美術コーナーへ入ってしまった。

     

    そこにはピカソの初期の素描が沢山展示されている。晩年のビカソのイメージとの相違が興味深かった。同館の2階には、土による家の建て方を説明する技法が展示されている。それにはセメント・鉄骨と違って安価なので「ホームレスの人達に、もっと土の家を奨励するべきだ」と書かれている。地震の多い日本に暮らす私には「とんでもない発想」と思えるのだが。

     

    美術館を出てペンションに向かって歩いていると、ラッシュアワーなのだろうか、「ブーブー」と渋滞に巻き込まれた車が警笛を鳴らし続けるので鼓膜が破れんばかりに喧しい。夕食は昼に見つけたピッツァ屋へ行く。奥村さんの話題はもっぱらストの事。平静を装っているが、やはり彼も相当気になるらしい。

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