ポルトガルの窓から日本が見える No.44

2016.12.22 Thursday

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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

    Kite 凧

     

     

    トゥーリスト・トラップ

     

    いつの日か一度は訪れてみたいと思っていた「カーボ・デ・ロカ」(ロカ岬)へと足をのばす。ここは日本の観光地と違い、看板も標識もまるでない。山道を不安になりながらドライブすると、ポツッポツッとレストランが点在する。

     

    昼食時間になったのでシーフードレストランに立ち寄る。メニューを見ると、とてつもなく高い。それもそのはず料理はすべてキロ売りなのだ。例えば、ガンバのグリル(車エビのグリル)キロ5900エスクード。1キロでどれだけの量が来るのかもわからないので、2人で12匹を注文することにした。車エビ12匹で3950エスクード也。

     

    この店の客は、リゾート地・カスカイスに住む金持ちのポルトガル人とヨーロッパから移住してきた人達で占められている。店内ではフランス語と英語が飛び交っていた。味はマアマアたが、外人ずれしているのかサービスも感じもあまり良くない。でも、繁盛しているところを見ると、こういうレストランが流行しているのかステイタスと感じているのか、どちらかに違いない。

     

    日本でも、この種のレストランは良く見かけるが、商売が長く続いた例は少ない。レストランを出て目と鼻の先のロカ岬に向かう。山道を抜けると突然海原が視界に広がる。ここがヨーロッパ大陸最西端のロカ岬だ。どこを見回しても岩また岩。灯台とカモイスの碑が妙に俗っぽく、自然の岩山の中で浮いて見える。もっとロマンチックな所かと期待して来たので、少しガッカリである。だか、日本のように土産物屋が軒を連ねていないだけでもホッとする。

     

    このロカ岬からカスカイスへと向かう。途中に「プライヤ・デ・ギンショ」(ギンショの浜)がある。きめの細かい白砂の浜では大西洋から吹く風に乗せて、大人も子供も凧揚げに興じている。なかでも、8つの凧を一直線に結びつけてブンブンと回転させる凧は圧巻、空高く舞い上がったかと思うと砂浜すれすれまで急降下する豪快なものだ。

     

    奥村さんと私は口を開けて凧の行方を見守っていたが、危険すら感じる迫力に走って逃げ回るほどだ。長い一日が終わってペンジョンに戻ると、「インドの大男」がフロントにいる。「彼の名前を今日こそ尋ねなければ」。彼の名は、イクバール・カリモ。例のごとく日本の話となり、カリモ曰く「ヨーロッパ人は日本人をニワトリと呼んでいるよ」と言う。それは早寝早起きだからだそうだ。

     

    奥村さんはすかさず「それならヨーロッパ人は、フクロウじゃないか、宵っ張りだからね」と応酬する。でも、日本では、もうニワトリ族よりフクロウ族が確実に増加しているのは明らかである。

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