ポルトガルの窓から日本が見える No.42

2016.12.22 Thursday

0

    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

     

    Roast chestnut's open air shop 焼き栗の露店

     

     

    焼き栗は秋の味

     

    今朝はプラッサ・ポンバル(ポンバル広場)近くにある日本大使館にお礼に行く。リスボアに着いて間もなく、大使館文化部・西さんのお世話で画家・武本比登志さんを紹介して頂いたからだ。大使館は、ルア・モウジィーニョ・シルヴェイラ11番地にあり、メトロ・ロトゥンダ駅から歩いて数分のところにある。

     

    私がこれまで出会った大使館員は、お役人特有の何処となくとっつきにくさがあったものだが、西さんはポルトガル人のように気さくで相談に応じてくれる暖かい人だった。各国大使館にも西さんのような人が居たら、大使館のイメージアップにつながると思うのだが。

     

    昼食後ICEP(ポルトガル観光局)のジョアナ女史にも、旅の報告とお礼を述べるために訪ねる。ジョアナは、何時も元気でエネルギッシュ、ひと昔前のエコノミックアニマルを連想させる。家族持ちなのに朝10時から夜中まで働く事もしばしばで、土曜日、日曜日でも必要とあらば出社するという。

     

    エンジニアのご主人と3歳、10歳の女の子の4人家族だ。「夫の協力なくして、この多忙な毎日は乗り越えられない」とジョアナは言う。職場での彼女は男勝りの働きを見せ、堂々としている。経済的にはポルトガルは立ち遅れているが、女性の社会進出については日本に比べると遥かに先進国のように思われる。

     

    帰途、初めて焼き栗を買ってみる。1ダース150エスクード。アイスクリームカップのように新聞紙を三角にクルクルと巻いた中に入れてくれる。この時期になると町のあちらこちらで、焼き栗の香ばしい匂いがあふれる。屋台には、山盛りの栗が釜型の自動焼き栗器の上でグルグルと回る。

     

    焼き栗屋のおばさんは、栗をナイフでひとつひとつ丁寧に切り目をつけてから釜に入れている。日本で販売されている天津甘栗に比較すると、栗のサイズが大きくナイフを入れた隙間から塩がしみ込むように工夫されているので、皮も剥き易く塩味が微妙に活かされて素朴な味がする。町はもう、すっかり秋の装いだ。

    コメント
    コメントする