No.21 Santarem,Lisboa

2016.12.22 Thursday 11:21
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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    筆者の吉田千津子、カメラマンの奥村森、コピーライターの春子、

    3人でポルトガル42日間の旅、ポルトガルを通して日本を考察する

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

    サンタレンの「食と工芸の祭典」

     

    Festival Folk dance 祭典の民族舞踊

    Festival Folk dance 祭典の民族舞踊

     

    昼食は、観光局のセニョール・ロステイロが招待してくれた。前菜は小エビをゆでたもの、それに見たこともないカメの手形をしたバケモノ料理。私は、ロステイロに「これカメの手なの」と聞いてみる。彼は「これはペルセベスと言って磯の岩につく生物だよ」と笑いながら応える。見てくれはグロテスクだが味はなかなかの物。山盛りのペルセベスは、あっという間になくなった。後に、この生物は九州のある地方でも食べるらしいことを新聞で読んだ。

     

    次は、大きな伊勢エビが1人に1匹ずつ。同じテーブルで食事をしているロステイロとラジオニュース記者は、驚くほど綺麗に伊勢エビを食べる。私と奥村さんは、伊勢エビの内側に沢山の身がついているのに上手く食べられない。ラジオ二ュース記者は、小さな口をしているので「おちょぼ口さん」と私は命名、奥村さんは、彼を「ミスター伊勢エビ」と名付けた。彼ほど伊勢海老をきれいに食べる名人を見たことがないからだ。

     

    海老の後は子牛と野菜の煮もの、そしてデザート。その量たるや尋常ではない。ロステイロとミスター伊勢エビは、呆れるほど良く食べる。子牛のメインディッシュをおかわりして、2人前をペロッと平らげた。驚くべき胃袋だ。

     

    会食では町の名士がつぎつぎと挨拶しているが、余りに長いスピーチなので誰も聞かずに「ワイワイ、ガヤカヤ」とお喋りに華が咲いている。昼食会は、1時から4時まで延々と続いた。私たちのお腹は、破裂せんばかりに脹らみ歩くことすら難儀に感じる。

     

    食後のはらごなしで、テージョ河のほとりにあるカネイラスという漁師町を見学する。この町の家屋は、洪水や豪雨で家が流されたり浸水したりしないように床が1メートル50センチほど高く建てられている高床式住居だ。すべて木造家屋で夕涼み用のベランダが備えつけられている。庭では、黄色いコーンを日干している。

     

    奥村さんが写真を撮りに近づくと、子供が大声で「私にインタビューをしてよ」と迫ってくる。子供に弱い奥村さんは、仕方なく子供を写すハメになる。ロステイロがいろいろ案内してくれるのは有難いが、彼は煙突のようにタバコを吸うチェーンスモーカーなので車に同乗していると息苦しくてたまらない。彼曰く「20歳代は2箱、30歳代になると健康に気をつけて1日1箱に減らしたんだ」と変な理屈を言う。健康に気をつけているのなら、タバコなんか吸わなければ良いのにと私は思う。ポルトガルの喫煙家は食欲と同様でとどまるところを知らない。

     

     

    焼き栗は秋の味

     

    Roast chestnuts open air shop 焼き栗の露店

    Roast chestnut's open air shop 焼き栗の露店

     

    今朝はプラッサ・ポンバル(ポンバル広場)近くにある日本大使館にお礼に行く。リスボアに着いて間もなく、大使館文化部・西さんのお世話で画家・武本比登志さんを紹介して頂いたからだ。大使館は、ルア・モウジィーニョ・シルヴェイラ11番地にあり、メトロ・ロトゥンダ駅から歩いて数分のところにある。

     

    私がこれまで出会った大使館員は、お役人特有の何処となくとっつきにくさがあったものだが、西さんはポルトガル人のように気さくで相談に応じてくれる暖かい人だった。各国大使館にも西さんのような人が居たら、大使館のイメージアップにつながると思うのだが。

     

    昼食後ICEP(ポルトガル観光局)のジョアナ女史にも、旅の報告とお礼を述べるために訪ねる。ジョアナは、何時も元気でエネルギッシュ、ひと昔前のエコノミックアニマルを連想させる。家族持ちなのに朝10時から夜中まで働く事もしばしばで、土曜日、日曜日でも必要とあらば出社するという。

     

    エンジニアのご主人と3歳、10歳の女の子の4人家族だ。「夫の協力なくして、この多忙な毎日は乗り越えられない」とジョアナは言う。職場での彼女は男勝りの働きを見せ、堂々としている。経済的にはポルトガルは立ち遅れているが、女性の社会進出については日本に比べると遥かに先進国のように思われる。

     

    帰途、初めて焼き栗を買ってみる。1ダース150エスクード。アイスクリームカップのように新聞紙を三角にクルクルと巻いた中に入れてくれる。この時期になると町のあちらこちらで、焼き栗の香ばしい匂いがあふれる。屋台には、山盛りの栗が釜型の自動焼き栗器の上でグルグルと回る。

     

    焼き栗屋のおばさんは、栗をナイフでひとつひとつ丁寧に切り目をつけてから釜に入れている。日本で販売されている天津甘栗に比較すると、栗のサイズが大きくナイフを入れた隙間から塩がしみ込むように工夫されているので、皮も剥き易く塩味が微妙に活かされて素朴な味がする。町はもう、すっかり秋の装いだ。

     

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