ポルトガルの窓から日本が見える No.41

2016.12.22 Thursday

0

    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

    Festival Folk dance 祭典の民族舞踊

     

     

    サンタレンの「食と工芸の祭典」

     

    昼食は、観光局のセニョール・ロステイロが招待してくれた。前菜は小エビをゆでたもの、それに見たこともないカメの手形をしたバケモノ料理。私は、ロステイロに「これカメの手なの」と聞いてみる。彼は「これはペルセベスと言って磯の岩につく生物だよ」と笑いながら応える。見てくれはグロテスクだが味はなかなかの物。山盛りのペルセベスは、あっという間になくなった。後に、この生物は九州のある地方でも食べるらしいことを新聞で読んだ。

     

    次は、大きな伊勢エビが1人に1匹ずつ。同じテーブルで食事をしているロステイロとラジオニュース記者は、驚くほど綺麗に伊勢エビを食べる。私と奥村さんは、伊勢エビの内側に沢山の身がついているのに上手く食べられない。ラジオ二ュース記者は、小さな口をしているので「おちょぼ口さん」と私は命名、奥村さんは、彼を「ミスター伊勢エビ」と名付けた。彼ほど伊勢海老をきれいに食べる名人を見たことがないからだ。

     

    海老の後は子牛と野菜の煮もの、そしてデザート。その量たるや尋常ではない。ロステイロとミスター伊勢エビは、呆れるほど良く食べる。子牛のメインディッシュをおかわりして、2人前をペロッと平らげた。驚くべき胃袋だ。

     

    会食では町の名士がつぎつぎと挨拶しているが、余りに長いスピーチなので誰も聞かずに「ワイワイ、ガヤカヤ」とお喋りに華が咲いている。昼食会は、1時から4時まで延々と続いた。私たちのお腹は、破裂せんばかりに脹らみ歩くことすら難儀に感じる。

     

    食後のはらごなしで、テージョ河のほとりにあるカネイラスという漁師町を見学する。この町の家屋は、洪水や豪雨で家が流されたり浸水したりしないように床が1メートル50センチほど高く建てられている高床式住居だ。すべて木造家屋で夕涼み用のベランダが備えつけられている。庭では、黄色いコーンを日干している。

     

    奥村さんが写真を撮りに近づくと、子供が大声で「私にインタビューをしてよ」と迫ってくる。子供に弱い奥村さんは、仕方なく子供を写すハメになる。ロステイロがいろいろ案内してくれるのは有難いが、彼は煙突のようにタバコを吸うチェーンスモーカーなので車に同乗していると息苦しくてたまらない。彼曰く「20歳代は2箱、30歳代になると健康に気をつけて1日1箱に減らしたんだ」と変な理屈を言う。健康に気をつけているのなら、タバコなんか吸わなければ良いのにと私は思う。ポルトガルの喫煙家は食欲と同様でとどまるところを知らない。

    コメント
    コメントする