ポルトガルの窓から日本が見える No.17

2016.12.15 Thursday

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    ポルトガルの窓から日本が見える

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

     

     

    Wine boat of Douro river ドウロ河のワイン運搬舟

     

     

    ポルトのワイン事情

     

    アヴェイロからアウト・エストラーダ(高速道路)で1時間足らず、ポルトガル第2の都市ポルトに着く。ポルトはドウロ河沿いに開けたポルトガルの産業中心地である。ドウロ河には3つの橋が架かっているが、その中のひとつルイス一世橋を渡って対岸の町、ヴィラ・ノーヴァ・デ・ガイヤへ行くことにする。

     

    ルイス一世橋は2段構造になっている。創設当初は上段が一般者の通行、下段はワイン工場や関連企業の通行路となっていたが、今は一般通行路として上下段とも使用している。この橋の設計者はパリ・エッフェル塔で有名なエッフェル一門のベルギー人とのこと。

     

    ヴィラ・ノーヴァ・デ・ガイアには、数10社のワイン会社のカヴェ(酒蔵)があり、日本でポピュラーなポルト・ワインも貯蔵されている。かつてはワイン生産の本拠地だったこの周辺も、現在ではドウロ河上流の村、ピニョンに移した会社が多い。一般観光客にワインを普及するためのショールームやワインを寝かせる酒蔵として活用しているので、いまだに「ワインの町」という風情を残し営業拠点として現役を保っている。

     

    私たちが取材をしたワイン会社「オズボーン」は、1772年に設立されたスペイン人のオーナーの会社だ。可愛い栗色の髪の女の子、ロザリアが私たちを案内してくれた。薄暗く音ひとつしないひんやりとしたワイン蔵の中には、大きな樽が無数に横たわっていた。大きいものは直径5メートル以上もあるだろうか。ワインは9種類のブドウを原料として最低3年は寝かせて出荷するのだそうだ。「6種類の赤ワインと3種類の白ワインを製造しています」とロザリアは童顔に笑みを浮かべて丁寧に説明してくれる。

     

    ポルト・ワインの糖分は発酵を1日で止めたもの、2日で止めたもの、そのまま置いたもので糖分のパーセンテージが変化する。1日で止めたものはスイート、2日はミディアム、そのままのものはドライになるというのだ。醗酵を止めるにはブランディーを加えればよい。ポルト・ワインは、長く置く程まろやかで色が透明なワインになるそうだ。

     

    この蔵での年代ものは20年前に貯蔵したものだと言う。試飲も沢山させてもらった。いろいろ飲みすぎて最後にはどれがどれか判らなくなり、奥村さんと春子は顔を真っ赤にしながらもロザリアの好意に応えようと必死に飲んでいる。ところでポルトガル特産のポルト・ワインといっても、やたら外資系の会社が目立つ。これは、ちょっと寂しい話だ。

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